一夜で解けた“弾圧”──参政党インフルエンサー凍結解除が映す情報戦の実像

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【続報】参政党支持インフルエンサー凍結解除──“弾圧”から“一夜で復活”へ、拡散する短絡的発想

X(旧Twitter)で参政党支持層の間に波紋を広げた「さいたま」氏のアカウント凍結騒動。その続報は、予想外の速さでやってきた。
凍結は発生からわずか半日後、日付が変わった本日午前1時ごろに解除されたのである。さいたま氏自身が午前2時過ぎ、本アカウントから復活を自らポストし報告した。

凍結解除は、凍結時と同様にX内のニュース枠でも取り上げられ、同氏と参政党の話題は再びトレンド入り。SNS空間では、再び注目が集中する結果となった。


一夜で解けた“弾圧”の物語

参政党支持者の一部は、凍結を「言論弾圧」「他党の攻撃」として語っていたが、今回の迅速な解除はその前提を覆すものとなった。
X社が特定の政治勢力を弾圧しているならば、凍結解除がニュースとして取り上げられることは考えにくい。
それにもかかわらず、参政党支持者の中では、「国民民主党支持者の集団通報が原因だ」「いや、れいわ新選組の支持者だ」といった断定的な主張が次々と拡散されている。

https://twitter.com/OkOkWanko/status/1978304081186701536
https://twitter.com/Yomuyomupoo/status/1978248638473064888
https://twitter.com/wf3iBWWPfG1RELn/status/1978130635374883246
https://twitter.com/Chie3023/status/1978106402624225723

これらの主張には、いずれも客観的な証拠が存在しない
引用されたアカウントが実際に国民民主党やれいわ新選組の支持者であるかどうかは確認できない。


“敵”が必要な政治コミュニティ

注目すべきは、凍結解除後もなお、「敵を設定して怒りを共有する」動きが止まっていないことだ。
他党支持者を“加害者”とすることで、参政党支持者のあいだに憎悪と結束の感情的連鎖が生まれている。

政治コミュニケーション研究では、こうした構図を「敵対的動員」と呼ぶ。
脅威を提示することで内部の求心力を高める戦略であり、現代のSNS上では極めて効果的に作用する。
しかし、それは政治的成熟を阻むだけでなく、誤情報の温床にもなり得る。

今回のケースは、事実関係よりも“物語”が先行している。

凍結の原因がどうであれ、意識的なのか無意識的なのかは不明だが、弾圧を演出することで支持層を団結させる構造が働いている。

これは情報戦の典型的なパターンに見える。


短絡的な“通報犯”説の論理破綻

https://twitter.com/saitama_5992/status/1978251948445839495

他党支持者による“集団通報”説が仮に事実だったとしても、それは参政党側にとって何の得にもならない。
むしろ、凍結と解除を経て、参政党が「被害者」として注目を集めたことで、結果的には党勢強化と支持者の結束に寄与している。
そうであれば、「他党による攻撃」という構図自体が整合性を欠く。

言い換えれば、この騒動は敵対関係を作り出すことで内部の団結を演出する心理的な操作としても機能している可能性がある。
意図的であるかどうかは不明だが、結果としてそうなっていることは否定できない。


情報空間で“勝つ”とはどういうことか

さいたま氏の凍結と解除は、もはや単なるSNSトラブルではない。
それは、政治勢力がオンラインで支持を拡大する過程で、どのように「弾圧」「被害」「敵意」といった感情を利用するのかを示す象徴的な出来事になりつつある。

いま必要なのは、誰が通報したかという犯人探しではなく、なぜその物語が都合よく機能しているのかという構造分析である。
事実よりも「共感」が拡散し、「被害の演出」が支持を生む時代――
この凍結騒動は、まさにその政治的現実を浮き彫りにした。

ネットの反応

https://twitter.com/saitama_5992/status/1978246516645986766
https://twitter.com/Coco2Poppin/status/1978133575976313033
https://twitter.com/sa_ya_101/status/1978128764979536031
https://twitter.com/RamenEve/status/1978316180550303836

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