沢尻エリカ 帰蝶(濃姫)に決定する
2020年大河ドラマの追加キャスト発表会見が3月8日都内で行われ、政略結婚で織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役は沢尻エリカさんが演じることが発表されました。
「帰蝶(濃姫)は気高くて気が強いキャラクター。今まで描かれた帰蝶(濃姫)よりもさらに気が強いキャラクターになっている。自分の意思を大切にするので、信長に嫁入りする時もひと悶着ある」と今回の帰蝶像を説明。「意思が強い、かつ、美しい帰蝶像」を求めたとし、「信長役が染谷将太さんなので、若さもないといけない。そういう意味で、美しい沢尻さんにお願いした」と落合将チーフプロデューサーが起用理由を明かしました。
ネットの反応も以下のように好評価で、
- イメージと違う感じですが、どんな帰蝶になるのか楽しみな方向
- 次の大河、帰蝶が…帰蝶が出るじゃん…!ぜっっったい見る~!!!
- えっ帰蝶様 沢尻エリカ様??????最高じゃん見る
- 沢尻エリカが濃姫やるの似合いすぎ
- ナイスすぎるキャスティング
などなど、それぞれが持っている帰蝶(濃姫)のイメージと女優をダブらせているようなコメントが多くみられます。
ただ、実際のところは帰蝶(濃姫)の史料は極めて乏しく実像には謎が多く確たることはほとんどわかってなく、その名前さえハッキリしない!?
絵本太閤記や武将感状記では濃姫として記されていることからこの名が有名になりましたが、美濃国の高貴な女性と言うだけの通称に過ぎず名前ではありません。
また、美濃国諸旧記では「帰蝶」であったとされ、武功夜話では「胡蝶」であったとされます。
更には、斉藤道三と小見の方との間に生まれた唯一の子であったとされ、信長と離婚した説、本能寺の変より前に死亡した説、本能寺の変の後も生きていた説などなど、帰蝶(濃姫)を調べれば調べるほど、名前も親も、どのように生涯を終えたかのかも謎。
謎ゆえに脚本家の好きなようにキャラクター設定ができてしまう都合の良い存在であることも事実。時代劇で描かれる帰蝶(濃姫)の印象的なシーンは、明智光秀に襲撃された本能寺で薙刀を振るい信長と共に戦い、そしてその生涯を閉じるシーン。
最期の信長とのやり取りは
信長「そちはここから落ちよ(逃げろ)」
帰蝶「殿、わたくしはここに残ります」
信長「止めはせぬ、勝手に死ね」
かくして帰蝶(濃姫)は、気高く、意志が強く、気が強いキャラクターとして私たちのイメージの中に創られていく。
さて、そんな帰蝶(濃姫)を過去に誰が演じたのかを、調べれる範囲で以下にまとめてみました。
宮城千賀子
『織田信長』 映画 昭和15年(1940)公開
日活が制作と配給をした剣戟映画
数少ない画像からお若い時の写真を掲載
高千穂ひずる
『紅顔の若武者 織田信長』 映画 昭和30年(1955)公開
東映が制作と配給をした。
若き日の織田信長と帰蝶(濃姫)との出会いから斉藤道三との会見を無事終えて帰ってくるまでを描いた作品。
この画像も最も雰囲気のあるものを掲載
香川京子
『風雲児 織田信長』 映画 昭和34(1959)公開
東映が制作と配給をした。
物語は信長の父、織田信秀の葬儀から始まる。斉藤道三との会見を用心するように忠告。信長の帰りを予期しなかった帰蝶(濃姫)はその無事を喜んだ。桶狭間への出陣でも帰りを予期しておらず、今川義元の首級を馬前に清州上に引き上げた信長。白装束で待っていた帰蝶(濃姫)には夢のようだった。
映画の説明文がある限りで言うと、この作品と『紅顔の若武者 織田信長』で 斎藤道三との会見までが描かれてますね。
父はマムシと呼ばれるほど恐ろしい男。殿のお命を狙っているやもしれませぬ。どうかお気を付けください。と言うやり取りでしょうか。
こちらの画像もお若いころの雰囲気のあるものを掲載
島景子
『織田信長』 テレビドラマ 昭和37年(1962)放送
朝日放送制作 TBS系列連続ドラマ
織田信長少年時代のエピソードをテーマにした作品
島景子さんは松竹歌劇団に所属していたようですが詳細はわからず。画像は「仮面の忍者赤影」でくノ一役の画像。
稲野和子
『太閤記』 NHK大河ドラマ第3作 昭和40年(1965)放送
原作 吉川英治 脚本 茂木草介 音楽 入野義朗 語り 平光淳之助
名前の読みは「ノウ」ではなく「コイ」
冒頭で述べた通り、帰蝶であり濃姫であり胡蝶でもあったわけだからコイでも良いじゃない。
松坂慶子
『国盗り物語』 NHK大河ドラマ第11作 昭和48年(1973)放送
原作 司馬遼太郎 脚本 大野靖子 音楽 林光 語り 中西龍
本能寺で明智光秀の兵と戦うため薙刀を振るう。明智の雑兵に打ち取られて絶命するまでを演じきった。
印象的なシーンは信長に輿入れする際、帰蝶(濃姫)へ父道三から短刀を授ける時のセリフ
道三「婿殿が真のウツケ者であれば、その時はこれで婿殿を刺せ」
帰蝶「しかし父上、この刃は父上を刺すことになるかもしれませぬ」
あったこともなくウツケ者と噂されている男のために、実父を刺すと面と向かって言ってのける。
気高く、気が強く、意志の強いキャラクター帰蝶(濃姫)誕生の瞬間である。
藤真利子
『徳川家康』 NHK大河ドラマ第21作 昭和58年(1983)放送
原作 山岡荘八 脚本 小山内美江子 音楽 富田勲 語り 館野直光アナウンサー
名取裕子
『織田信長』 TBS大型時代劇スペシャル 昭和64年(1989)放送
菊池桃子
『信長 KING OF ZIPANGU』 NHK大河ドラマ第30作 平成4年(1992)放送
原作 田向正健 脚本 田向正健 音楽 毛利蔵人 語り ランシュー・クリストフ、加賀美幸子(アナウンサー)
涼風真世
『織田信長』 新春ワイド時代劇 平成6年(1994)放送
原作 山岡荘八 脚本 志村正浩 音楽 横山菁児 制作 テレビ東京、東映
中谷美紀
『織田信長 天下を取ったバカ』 スペシャルドラマ 平成10年(1998)放送
原作 坂口安吾 脚本 井上由美子 音楽 辻田晃司 製作 TBS
菊川怜
『国盗り物語』 新春ワイド時代劇 平成17年(2005)放送
原作 司馬遼太郎 脚本 宮川一郎、大石静 音楽 沢田完 ナレーター 津嘉山正種
制作 テレビ東京
帰蝶(濃姫)登場のシーンで「帰蝶にございます」と信長へ挨拶。
監督の指示なのか女優独自の役作りなのかわからないが、 鼻から声が出てる。そう、あのアパレルショップ店員のような発声。
物語の後半になるにつれこの発声はおとなしくなっていくが、信長役の伊藤英明さんが帰蝶のほっぺを抓るシーンがあって、結構な握力で抓ったのか帰蝶役の菊川怜さんが地声で「痛った~い」と言ってた。
そりゃ作られた声だよねと納得すると同時に取り直しをせずにそのまま採用した監督に感謝。
画像は動画からのキャプチャーで、本能寺で明智光秀の謀反を森蘭丸から注進される場面。
右手には「薙刀」が握られてる。何とも勇ましい帰蝶(濃姫)である。
和久井映見
『功名が辻』 NHK大河ドラマ第45作 平成18年(2006)放送
原作 司馬遼太郎 脚本 大石静 音楽 小六禮次郎 語り 三宅民夫
この画像も本能寺で明智光秀の謀反を注進されるシーン。
驚いた顔をキャプチャーしてスミマセン。
最近の和久井さんは、必殺仕事人のお菊で良い味を出した演技を魅せてくれてますよね。
観月ありさ
『濃姫』 テレビドラマ 平成24年(2012)放送
原案 山岡荘八(織田信長) 脚本 後藤法子 音楽 猪原達三 制作 テレビ朝日、東映
小雪
『女信長』 テレビドラマ 平成25年(2013)放送
原作 佐藤賢一(女信長) 脚本 橋本裕志 音楽 久石護 制作 フジテレビ
『女信長』は佐藤賢一の小説。信長は女だったという IF設定で織田信長の生涯を描いた作品。
内田有紀
『軍師官兵衛』 NHK大河ドラマ第53作 平成26年(2014)放送
脚本 前川洋一 音楽 菅野祐悟 語り 広瀬修子
原作のないオリジナル作品だが、本能寺のシーンでは敵兵に弓矢を放ち刀で切りかかってくる相手に懐剣で立ち向かい見事な殺陣を繰り広げる。 しかし明智の雑兵に斬られ信長の腕の中で絶命を迎える。
柴咲コウ
『信長協奏曲』 テレビドラマ 平成26年(2014)放送
原作 石井あゆみ 脚本 西田征史、岡田道尚、宇山佳祐、徳永友一
制作 フジテレビ
『信長協奏曲』は石井あゆみが描いた漫画。現代から戦国時代にタイムスリップした高校生が織田信長と入れ替わり、史実通りに天下取りをトレースしていく物語。原作はゲッサンで連載中 (平成31年現在)
まとめ
映画、小説、テレビドラマ、漫画などなどで描かれる帰蝶(濃姫)は、気高く聡明で美しく華やかで気が強く意思が強く信長と仲睦まじい。
それが例え原作者に創られた虚像であっても、帰蝶は貴重な存在であることに変わりない。
2019年11月16日追記
沢尻エリカ逮捕
東京都目黒区の自宅で 2019年 11月 16日の午前 8時過ぎに、合成麻薬 MDMAの粉末を所持したとして、 警視庁組織対策 5課に逮捕された。
「私のものに間違いありません」と容疑を認めている。
尿による鑑定結果は「陰性」。今後、本鑑定を進め、使用有無について調べていくとの警視庁の方針だ。
続報「沢尻エリカ 麒麟がくる降板か?」
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