孟晩舟を逮捕したアメリカの本当の理由

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2018年12月1日 カナダ当局は アメリカの要請により バンクーバー空港で孟晩舟を拘束した。アメリカはその後、イランとの違法な金融取引に関わった罪などで孟晩舟を起訴し、カナダに身柄の送還要請を正式に送付した。

2019年3月6日 バンクーバーの裁判所に出廷し、孟晩舟の弁護団とカナダ司法当局が アメリカへの引き渡し審理の手続きなどを確認した。

引き渡し審理のための孟晩舟の次回の出廷は5月8日となる。と カナダメディアが報じていることから、アメリカへの移送は最短でも5月以降になるだろう。

孟晩舟! 逮捕だぁ~!

名前:孟 晩舟(もう ばんしゅう)

英語:Meng Wanzhou(メン・ワンチョウ)

生年月日:1972年2月13日

年齢:47歳

出身:四川省成都市

所属:ファーウェイ副会長 / CFO

二つ名:8つのパスポートを持つ女


孟晩舟は、任正非と前妻の孟軍との間に生まれた長女。弟が一人いる。

両親の離婚理由について一部報道では、任正非の女性関係の派手さに嫌気がさしての離婚だったと伝えられているが、公式には理念が合わなかったための離婚と紹介されている。

1992年 武漢にある華中理工大学(現在は華中科技大学)を卒業後、中国建設銀行で1年勤務する。1993年にファーウェイに受付嬢として入社。2011年にファーウェイの常務取締役就任と同時にCFO(主席財務官)を兼任。

チャイナでは結婚しても男女ともに姓が変わらないが、孟晩舟が16歳の時に両親が離婚した時から、父の姓である「任」から母方の「孟」に改める。

このため、ファーウェイ入社後もCEOであり実の父親でもある任正非との親子関係を知られることはなかった。

米中貿易戦争勃発

トランプ大統領は、大統領選挙期間中から チャイナの独善的な貿易による不均衡を指摘していた。

当初は対話による様々な警告を行うが チャイナの態度は変わらなかったため、2018年7月6日からは輸入追加関税など具体的な政策を実行し チャイナを圧倒した。

トランプ大統領と足並みを揃えるように ペンス副大統領は 2018年10月4日に ハドソン研究所、翌11月16日 APECと相次いで演説を行った。俗にいう「ペンス演説」である。

その演説は、政治・経済・人権など、あらゆる分野における チャイナの侵略的・帝国主義を批判し アメリカの対中全面対決を宣言した内容であった 。

この演説について、一部のジャーナリストは「宣戦布告」や「鉄のカーテン演説」と表現するほどで、強烈な まさに火を吐くような演説だった。

以下、ペンス演説の要約をジャーナリストの長谷川幸洋氏の記事を引用する

中国は政治、経済、軍事的手段、プロパガンダを通じて米国に影響力を行使している。


米国は中国に自由なアクセスを与え、世界貿易機関(WTO)に招き入れた。経済だけでなく政治的にも、中国が自由を尊重するようになると期待したからだ。だが、期待は裏切られた。


中国政府はあらゆる手段を使って米国の知的財産を手に入れるよう指示している。安全保障に関わる機関が「窃盗」の黒幕だ。


習近平国家主席はホワイトハウスで「南シナ海を軍事化する意図はない」と言った。だが、実際には人工島に対艦、対空ミサイルなどを配備している。


中国最大の「闇(underground)教会」は閉鎖され、キリスト教徒や仏教徒、イスラム教徒が迫害されている。


中国はアジア、アフリカ、欧州、南米で借金漬け外交を展開している。負債が払えなくなった スリランカには、港を引き渡すよう圧力をかけた。中国の軍港になるだろう。


最近も、ある大企業を「米国の通商政策を批判しなければ、事業の許可を与えない」と脅した。


米国の ジョイントベンチャーには、社内に「共産党組織」を設置するよう要求した。

トランプ政権は米国の利益と雇用、安全保障を守るために断固として行動する。

現代ビジネスより

自由で開かれた民主主義国家と貿易することで国が豊かになり、いつかは社会主義から脱却していくだろうと期待していたが、不正な手段で知的財産を盗み その盗んだ技術で作った製品を輸出してドルを手に入れ、その金で軍事力を増強させている。

また、一体一路構想は発展途上国にはインフラ整備を行うと魅力的な提案で言葉巧みに誘い、返せるはずがない額の借金を背負わせ「債務の罠にはめて」 その国の土地や重要な港などを借金の形に取り上げることで、世界の各地に軍事拠点を拡張する帝国主義的な政策でアメリカの覇権をとって代わろうとしていることは到底許されないことだろう。

そして、最も懸念されることは5Gの軍事利用だ。

5G 技術は、コア・システムの役割は基地局の ハードウエアが担うことになり、ハードウエアが破壊されると、ネットワーク全体の壊滅を意味する。
また、容易に ハードウエアを停止したり、データを他の場所に転送したりできる。その他では他国への スパイ行為、通信 ネットワークの破壊、サイバー攻撃、特定の空港 または他の戦略的場所で通信の中断と破壊も可能となる。

余計なものが入っていた

アメリカの安全保障に危機感を示す米連邦通信委員会が 2018年3月、ファーウェイと ZTE製品について使用禁止を呼び掛けている。
 
同委員長 アジット・パイは「何年もの間、アメリカ政府は外国勢の通信機器メーカーによる安全保障の脅威に、懸念を示してきた」「ルーター、スイッチなどのほか、機器に バックドア、悪意のある ウィルスや マルウエアが仕込まれている。アメリカの個人情報を盗み、アメリカ企業のスパイとなり、脅している」と指摘している。

このアジット氏の発言の「何年もの間」とは、2011年の国防総省の レポートのことを踏まえての発言だろう。

国防総省が提出したレポートで、ファーウェイと ZTE は共産党軍部と密接な関係にあることを報告している。

また、2012年の アメリカ下院の諮問委員会でも ファーウェイと ZTE は アメリカの安全保障上の脅威だと言っている。

しかし時は、チャイナ大好きオバマ政権。
これらの レポートの報告を受けていたはずだが、何も手を打たなかった アメリカの国益を大いに傷つけた大統領である。

我が国でもファーウェイ製品を危惧している軍事評論家が居る。


私は ファーウェイが中国政府 ベッタリなことは相当以前から認識していましたが、この問題に本格的に注目し始めたのは、実は日本国内のある出来事に関して疑問を抱いたからでした。

今日、日本で島嶼の防衛が注目されていますが、その最前線である離島では、自衛隊員や海上保安庁などの職員が働き、暮らしています。特に大東亜戦争(太平洋戦争)の激戦地ともなった硫黄島は、今でも安全保障上の重要 ポイントとなっています。

硫黄島は、絶海の孤島です。そのため、携帯電話を使えるようにするには非常に大きな コストがかかります。利用者が支払う携帯利用料だけでは、絶対に赤字です。補助金が出ているそうですが、そんなものでまかなえるはずがありません。

ところが、硫黄島に携帯電話基地局を設置して最初に携帯を開通させたのは ソフトバンクでした。絶対に赤字であるにもかかわらず・・・。

もしも アメリカが指摘するように ファーウェイ製品に バックドアが仕込まれているのだとしたら、硫黄島に勤務する自衛官などから情報を収集しようとしている可能性があるのではないか──。これが、私の疑念だったのです。


数多 久遠:軍事評論家、元自衛官 「ファーウェイ製品 危ないのは端末より基地局だ」

知りすぎたヤツは消せ

2018年12月1日 ある男が急死した。

チャイニーズ系 アメリカ人、スタンフォード大学 物理学教授 張首晟(55)

張教授は量子 コンピューター開発の最先端にいた人物で、2013年に シリコンバレーで ベンチャーキャピタルを創設し 4億3450万ドルの資金を集めた。もちろん スポンサーは中国共産党だ。

張教授は スタートアップ企業 100社以上に資金を投資し、どのような開発を現在行っているのかの情報収集をしていた。

最先端情報を吸い上げ、その情報を中国共産党 サイドに伝えるのが張教授の役割だったようだ。はっきり言うと ベンチャーキャピタル企業の形をとった産業 スパイで、まとめ役が張教授だったのではないのかと疑われている。

このことについて自殺する直前に FBIが張教授の実験室で事情聴取を行っている。そして 12月1日に飛び降り自殺した。警察は自殺で処理しており、家族からはうつ病の傾向があったと証言も取れている。

このまま取り調べが進めば アメリカ側に押し切られて全てを明かさなければならなくなると自らを追い込んだのか、あるいは チャイナの側で「知りすぎた男」だと口封じをされたのか…スパイ映画のように想像してしまう話である。

張教授が急死した日をもう一度言おう。孟晩舟が カナダで逮捕された 12月 1日だ。

これは余談だが、張教授は ファーウェイの量子半導体の開発に協力しているという話も聞こえてきており、あながちスパイ映画のようだとは言えない。

メイド・イン・チャイナ 2025を潰せ

孟晩舟がアメリカに身柄を移送され裁判をやった場合には、有罪となる証拠を アメリカいくつも持っているため、ほぼ終身刑の判決が下されることになるだろうと専門家は分析している。

アメリカはこれを ネタに、ファーウェイ副会長として ファーウェイの犯罪行為について全て話せば自由の身にすると司法取引を持ちかけるのではないだろうか。

習近平がブチ上げた メイド・イン・チャイナ 2025の主力企業の一つが ファーウェイであり、ファーウェイを潰せないまでも大打撃を与えることで習政権を揺るがすことができると目論んでいるのではないか。

それと、5G覇権をチャイナに取られてしまった場合には世界的な安全保障上の脅威になるため、ここは何としてでも死守せねばならないだろう。

孟晩舟が全てを明かした場合、チャイナ側に消される可能性があるため証人保護 プログラムで全く別の名前を与え、場合によっては整形手術も施し 偽のアイデンティティが与えられ アメリカ国内で無事に暮らせる道が開かれる。

が、明かさなければ、残りの人生は刑務所で過ごすことになるだろう。

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